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​ひつじのおにく

2皿目

美しさってなんだろう

前回はジンギスカン弁当を食べた白石と黒崎。今回は、自分たちのひつじの「普通」を更新するべく、大学と駅の間にあって気になっていた某ラム料理専門店で、ラム料理を堪能することにしました。

白石:今日来るのめっちゃ楽しみにしてたよ。念願だね!単品もあるみたいだけど、コースでいいかなー?
黒崎:はい。コースに食べたいものが多いですし、コースにしちゃいましょう!
白石:OK!すみませーん!あの、このコースでお願いします。ドリンクは・・・レモンサワーと、
黒崎:ウーロンハイでお願いします〜。
白石:よーし。楽しみだね!おなかぺこぺこだよ~。
黒崎:ほんと、楽しみですね!羊のウデ肉、めちゃ気になります!
白石:絶対おいしいと思う!!!
・・・・・乾杯!&ラム肩肉がテーブルに運ばれてくる・・・・・
黒崎:これがラム肩肉ですかぁ〜。色味がピンクで綺麗ですね!
白石:わあ・・・なんかもう・・・美しい・・・!美しいよ・・・!
黒崎:お肉もぷりっぷりな感じで、まさに美しすぎるお肉ですね(感涙)
白石:(ラム肩肉を鉄板に乗せながら)うんうん。・・・そういえば、美しいって漢字に「羊」って入ってるよね。羊って美しいんだ。
黒崎:えっ・・・あ、ほんとだ、「羊に大きい」で美しいっていう漢字になるんですね。
白石:昔の人は、大きい羊こそが美しいって感じてたのかな。今にはない感覚じゃない?
黒崎:たしかに、美しい生き物って言われて「大きい羊だ!!」とはなりませんね。それだけ昔の人にとって羊って魅力的な生き物だったんでしょうね。
白石:羊って毛も肉も使えるもんね。大きい羊だとなおさら、うれしい!最高!って、実用性の面からも、より魅力的に感じたのかな。
黒崎:なるほど〜!生きるための資源が現代よりも枯渇している昔に、大きい羊が目の前に現れたらパーーーって光って神々しく見えそうです。
白石:ねえ、今「うつくしい」の漢字を作るとしたら、どんな漢字になると思う?
黒崎:うーーん。スマホ・・・で・・・板的な漢字に必要の必・・・?
白石:スマホ!?笑 え、口に必、みたいな?

黒崎:自分で言っといてなんですが、スマホってやっぱり「美」とは違う気がしますね・・・。
白石:全然うつくしい感じがしない・・・。必要性とか実用性だけに傾いちゃうと、「うつくしい」とは違うんじゃないかなー。
黒崎:たしかに、美しいって、絶対必要ではないけれど、あると心地よいものっていうイメージに近いですね。
白石:美しいっていう漢字もただの羊ではなくて、わざわざ大きい羊って書くもんね。

・・・・・ラムウデ肉焼く。食べる。焼く。食べる。・・・・・

白石:おいしいなあ。あ、おいしいって、「美」入ってるよね。「美味しい」。
黒崎:ただの味、よりもひと段階プラスされている感じですね。まぁ、味、よりかは「美味しい」ほうが嬉しいですよね。
白石:なんか、欲深さを感じる・・・!おなかを満たされたらいい、だけじゃなくて、美味しさもほしい、ってことでしょ?「美しい」って、いい意味でも悪い意味でもフラットじゃ物足りない感じ。「美しい」って、欲望なんだ!

黒崎:だからこそ、わざわざ「羊が大きい」と書くんですかね、「美」という漢字って。そうなると、最近はミニマリストとか流行ってるので、「羊が小さい」で「美しい」となるのでしょうか?
白石:ありえる。でも、今なら羊より、猫じゃない?猫に、その座を取られる気がする。
黒崎:猫ってかわいいっていうイメージなんですよねぇ・・・。かわいいと美しいも感覚的に違う気がしますかね?

・・・・・ラムパクチーを食べる。お酒が進む。ごくごく。・・・・・

白石:・・・たしかに。じゃあさ、きれいと美しいは?
黒崎:きれいと美しいは、同じ・・・ですかね?
白石:でも、きれいな部屋と、美しい部屋って、ちょっと違う感じじゃない?
黒崎:あーー、綺麗な部屋は衛生面とか整理整頓がしっかりしているイメージですけれど、美しい部屋は高価な家具とかインテリアにこだわってそうです!
白石:きれいはゼロで、美しいはプラスって感じなのかなぁ。
黒崎:綺麗な部屋っていうのは、衣食住のボーダーライン・・・それこそ基準ではありますね。汚いだとマイナスになりますし。美しいだと、必要な基準よりも「もっと極めたい!」という意欲を感じます。
白石:わかるわかる。んー、きれいな人と美しい人で考えると、またちょっと難しい気がする・・・。あれ、美しいって、実際はあんまり人に対して言わないかな?
黒崎:本当ですか!?学部時代、私フラメンコ部に所属してたんですが、結構な頻度で人に対して「美しい」って使ってましたよ〜!
白石:え、待って、フラメンコ部・・・!?
黒崎:あっ、はい!フラメンコ部でした!
白石:えぇ・・・なんかすごい・・・。で、どんなときに、美しいって使ってた?
黒崎:そうですね、誰かが踊り終わった時とか、衣装を身に纏った時とか、そんな場面で部員同士で「美しいよ〜〜!」って褒め合ってました笑
白石:いいね~楽しそう!それは、その人の動きとかも含めた全身を褒めたたえている感じなのかな?
黒崎:そんな感じですね。その人が綺麗なのはもちろんなので、踊りの所作が指の先までキマってたり、表情に深みがあったり、さらに衣装がプラスされると「あ〜この人、美しいな、Olé!」ってなりますね。
白石:それって、お互いのまるごとの美しさを受容し合う感じがして、ポジティブで、すごくいい感じだね。

・・・・・ラムしゃぶを始める。塩でもおいしい。タレでもおいしい。・・・・・

白石:素がゼロで、「美しい」がプラスなんだとしたらさ、「美しい」の追求って、なんだかゴールがない感じがしない?
黒崎:しますねぇ。手に入れた美しさは、その人にとってゼロになって、もっと先の美しさが欲しくなって・・・。
白石:基準のゼロがどんどん上がっていく感じ・・・ちょっと怖いかも。
黒崎:それこそ、さっき白石さんが言っていた「欲」ですね。良く言うとその人にとっての「理想」とも言えそうですね。
白石:ずっとちょっと先にある「理想」が「美しさ」なのかな。
黒崎:かもしれませんね。ずっとちょっと先にあるからこそ、私たちは追求したくなるのかもしれませんね。今日みたいにラムに色んな調味料をつけて美味しさを求めてみたり。
白石:いろんな美味しいラム、もっといっぱい食べたいもんなぁ。次はどこ行こっか?

今日のシメ

美しさは、どんな基準から見ても、プラスの状態みたい。必要ではないけど、追求してしまう欲深さが人にはありそう。美しさって、手に届かないようなずっと先にあるのではなくて、手が届きそうなくらいの「ちょっとだけ先」に常にある理想、なのかも?

今回、白石と黒崎は念願のラム料理専門店で、ラム料理のコースを堪能しました。
羊という文字に囲まれながら、美しいひつじの肉を目の当たりにした2人は、「美しさ」とは何かについて語り合いました。議論の末、二人は「美しさ」という言葉のもつ距離感がなんとなくつかめたのでした。
「美しさ」とは何でしょうか。みなさんは、どんな時に「美しさ」を感じますか?

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